富山大学が、新型コロナウイルスの変異株を防御できるスーパー中和抗体を新規に取得しました。

富山大学が、新型コロナウイルスの変異株を防御できるスーパー中和抗体を新規に取得しました。

スーパー中和抗体(28K)が感染

防御できる SARS-CoV-2 の変異株を以下に列挙します(分かり易く説明するため、変異株名

は旧名称の国名を併記させて頂きます)。

・野生株:武漢で最初に発見された SARS-CoV-2 ウイルスの原型

・B.1.1.7(Alpha, 英国):スパイク蛋白質の RBD に N501Y 変異を有する

・B.1.351(Beta, 南アフリカ):スパイク蛋白質の RBD に K417N/E484K/N501Y 変異を有する

・B.1.617.1(Kappa,インド):スパイク蛋白質の RBD に L452R/E484Q 変異を有する

・B.1.617.2(Delta, インド):スパイク蛋白質の RBD に L452R/T478K 変異を有する

・B.1.427/429(Epsilon,カリフォルニア):スパイク蛋白質の RBD に L452R 変異を有する

富山大学の強みは「世界最速レベルで抗体を作製し性能評価できる技術」であり、

14の国内外特許を取得しています。「高力価中和抗体を持つ患者を迅速に選定できる技術」

から始まり、「中和抗体を産生する細胞1個をチップ上で補足しその遺伝子を取り出す技術」、

「得られた遺伝子より大量の抗体を作り出す技術」、そして「人工疑似ウイルスを用いた感染

実験から抗体を迅速に評価する技術」などです。これらを組み合わせると従来2か月以上か

かる行程が1~2週間で、目的とする抗体を作製することができます。

新型コロナウイルスは、主にウイルス表面にあるスパイク蛋白質がヒトの ACE2 受容体に

結合することで感染します。今回取得したスーパー中和抗体は、スパイク蛋白質に直

接結合し、各種変異株の特異的エピトープに被ることなく ACE2 との結合を阻害する結果、

新型コロナウイルスの多種の変異株の感染を防御することが出来ます。

研究グループでは先ず、新型コロナウイルス感染症の回復患者の血清中の中和活性を測定

し、高力価の中和抗体を持つ患者を選定しました。次にその患者の末梢血 B 細胞の中から、

スパイクタンパク質に強く結合する抗体を作っている B 細胞を選び出し、その B 細胞から抗

体遺伝子を取り出して、遺伝子組換え抗体を作りました。この抗体の中から中和活性

の特に高い(=感染を防御する能力に優れた)抗体を特定し、最終的に多種の変異株の感染

を防御するスーパー中和抗体 28K を取得することに成功しました。スーパー中和抗体 28K 取

得に関しては、令和 3 年 6 月 14 日に特許を出願しました。

取得したスーパー中和抗体 28K は今後人工的に作製できるため、新型コロナウイルス感染

症の治療薬として役立つことが期待されます。利用法として、軽症・中等症から急激にウイ

ルスが増殖し重症化に移行する段階で迅速に投与すると、重症化を強力に抑制できる(=救

命率向上に貢献できる)と考えています。また、28K は既存の変異部位を避け、「SARS-CoV-2

の感染にとって重要な部分と結合する」と推定されるため、新たな変異株に対しても防御で

きる可能性があり、新規変異株流行を早期に制圧できる可能性を秘めています。富山大学は

今後、製薬会社との共同事業化等により実用化に向けた対応を急ぎたいと考えています。

ということですが、世の中は、ワクチン一色ですが、

治療薬の方が安上がりなことは確かです。

しかし、どうしても、ワクチンを打たせたい人たちがいて、そうしているのではないか

というのが陰謀論者の意見でもあります。

実際、今回の富山大学のプレスリリースはもっと取り上げられていいような気もします。

いずれにしても、かなり期待の持てる発見だと思います。

https://www.u-toyama.ac.jp/wp/wp-content/uploads/20210616.pdf

解説動画

https://www.youtube.com/watch?v=xwYOrwHespw

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